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地蔵菩薩は「じぞうぼさつ」と読み、無仏の時代の救済者とされる。お地蔵様として全国各地の路傍にたたずむため知名度も高い。サンスクリットでは「クシティガルバ」で「クシティ」が「大地」、「ガルバ」が「母胎(蔵)」を意味する。釈迦如来が入滅してから、未来仏である弥勒菩薩が如来として現れるまでの「無仏の時代」に、六道での輪廻を繰り返しながら苦しむ人々を教化して救済することが務めとされている。『地蔵菩薩本願経』によれば、かつてインドに2人の国王がおり、1人は「一日も早く如来になって人々を救いたい」と願を立てたのに対し、もう1人は「苦しんでいる人々を救ってから如来になりたい」と願を立てたとある。これにより、前者は一切智成如来(いっさいちじょうにょらい)となり、後者が地蔵菩薩になったとされる。このことからも地蔵菩薩には利他行の考えがみてとれ、人々を思いやる心が無限といわれる由縁が伺える。
六体のお地蔵様が並ぶ姿を「六地蔵」と呼び、地蔵菩薩が姿を変えながら六道を巡り、その先々で説法をしている様子をあらわしているとされる。六道と一般的な呼称や持物は以下のように決められている。死んだ後に地蔵菩薩を見ることで、持物などの特徴から自分が何道にいるかがわかるとされるものである。
六道 | 経典による呼称1 | 経典による呼称2 | 持物(印相) | ||
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天道 | 大堅固地蔵 | だいけんごじぞう | 日光地蔵 | にっこうじぞう | 経巻 |
人道 | 大清淨地蔵 | だいしょうじょうじぞう | 除蓋障地蔵 | じょがいしょうじぞう | 施無畏印 |
修羅道 | 清淨無垢地蔵 | しょうじょうむくじぞう | 持地地蔵 | じちじぞう | 梵篋 |
畜生道 | 大光明地蔵 | だいこうみょうじぞう | 宝印地蔵 | ほういんじぞう | 如意宝珠 |
餓鬼道 | 大徳清淨地蔵 | だいとくしょうじょうじぞう | 宝珠地蔵 | ほうじゅじぞう | 与願印 |
地獄道 | 大定智悲地蔵 | だいじょうちひじぞう | 檀陀地蔵 | だんだじぞう | 錫杖 |
地蔵菩薩は、菩薩としては珍しく僧形のものが多い。また、左手に宝珠、右手に錫杖を持った立像が多く、これは六道を巡る様子を示しているとされる。ただし、曼荼羅などでは、宝冠をかぶって瓔珞を付けた地蔵菩薩が、蓮華座の上で結跏趺坐している姿も見られる。
毎月24日は地蔵菩薩の縁日。
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