仏像
仏像について
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仏像は立像(りゅうぞう)と坐像(ざぞう)に分けられ、坐像には両足を組む結跏趺坐(けっかふざ)と片足を組む半跏趺坐(はんかふざ)がある。結跏趺坐で左足を上にするのが降魔坐(ごうまざ)、右足を上にするのが吉祥坐(きっしょうざ)。これは、古来よりインドでは右側が清浄、左側が不浄と考えられていたことに基づく。
- 半跏趺坐:結跏趺坐の略式坐法。片足を足のももの上に組んで座る。
- 降魔坐:右足の甲を左足のももに、左足の甲を右足に密着させる。煩悩を抑える意味を持つ。
- 吉祥坐:左足の甲を右足のももに、右足の甲を左足に密着させる。煩悩を打ち消した後、他人にも喜びを与えようとしている姿勢を表す。
三十二相八十種好
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三十二相八十種好は「さんじゅうにそうはちじっしゅこう」と読み、仏の身体に備わっている身体的特性とされる。見てすぐに分かる三十二相と、微細な特徴である八十種好を合わせたもので、釈迦如来の仏像を作る際はこれらに基づいて造形される。
三十二相
- 頂髻相(ちょうけいそう)
- 頭の頂の肉が隆起して髻(もとどり)の形を成している。仏の智慧をあらわす。肉髻(にくけい)相とも呼ばれる。
- 白毫相(びゃくごうそう)
- 眉間に右巻きの白毛があり、光明を放つ。伸びると一丈五尺。仏の慈悲をあらわす。如来と菩薩には白毫が必ずあり、明王や天部にはこれが見られない。
- 正立手摩膝相(しょうりゅうしゅましっそう)
- 直立したとき両手が膝に届き、手先が膝をなでるくらいに長い。人々を救うために手を差し伸べ続けているうちにそうなったとされる。
- 足下安平立相(そくげあんぴょうりゅうそう)
- 足の裏が平らで、地を歩くとき足裏と地と密着して、その間に髪の毛ほどの隙もない(扁平足)。
- 足下二輪相(そくげにりんそう)
- 足裏に輪形の相(千輻輪)が現れている。仏足石はこれを表わしたもの。
- 長指相(ちょうしそう)
- 10本の手指(もしくは手足指)が微かで長いこと。
- 手足柔軟相(しゅそくにゅうなんそう)
- 手足がなめらかで柔らかく色が紅赤であること。
- 足跟広平相(そくげんこうびょうそう)
- 足のかかとが広く平らかである。
- 手足指縵網相(しゅそくまんもうそう)
- 手足の各指の間にある鳥の水かきのような金色の膜。誰一人もらさず救おうとの意思のあらわれとされる。
- 足趺高満相(そくふこうまんそう)
- 足の甲が亀の背のように厚く盛り上がっている。
- 伊尼延膞相(いにえんせんそう)
- 股の骨が鹿のように細くしなやかである。
- 馬陰蔵相(めおんぞうそう)
- 馬や象のように陰部が隠されている(男根が体内に密蔵される)。
- 身広長等相(しんこうちょうとうそう)
- 身長と両手を広げた長さが等しい。
- 毛上向相(もうじょうこうそう)
- すべての毛の先端が上になびいている。
- 一一孔一毛相(いちいちくいちもうそう)
- 身体の毛穴にはすべて一毛を生じ、その毛孔から微妙の香気を出して毛の色は青瑠璃色。
- 金色相(こんじきそう)
- 身体手足すべてが黄金色に輝いている。
- 丈光相(じょうこうそう)
- 身体から四方各一丈の光明を放っている。光背はこれを表す。
- 細薄皮相(さいはくひそう)
- 皮膚がきめ細かく、一切の塵垢不浄を留めない。
- 七処隆満相(しちしょりゅうまんそう)
- 両掌と両足の裏、両肩、うなじの七所の肉が円満で浄らかである。
- 両腋下隆満相(りょうえきげりゅうまんそう)
- 両脇の下に肉がついていてくぼみがない。
- 上身如獅子相(じょうしんにょししそう)
- 上半身に獅子のような威厳がある。
- 大直身相(だいじきしんそう)
- 身体が広大端正で比類がない。
- 肩円満相(けんえんまんそう)
- 両肩の相が丸く豊かである。
- 四十歯相(しじゅうしそう)
- 40本の歯を有し、それらは雪のように白く清潔である(常人は32歯)。
- 歯斉相(しさいそう)
- 歯はみな大きさが等しく、硬く密であり一本のように並びが美しい。
- 牙白相(げびゃくそう)
- 上下の4本の犬歯はとくに白く大きく、鋭利堅固である。
- 獅子頬相(ししきょうそう)
- 両頬が獅子のようにふっくらとしている。
- 味中得上味相(みちゅうとくじょうみそう)
- 何を食べても食物のその最上の味を味わえる。
- 大舌相(だいぜつそう)
- 舌が軟薄で広く長く、口から出すと髪の生え際にまで届く。
- 梵声相(ぼんじょうそう)
- 声は清浄で、聞く者をして得益無量ならしめ、しかも遠くまで聞える。
- 真青眼相(しんしょうげんそう)
- 眼は青い蓮華のように紺青である。
- 牛眼瀟睫相(ぎゅうごんしょうそう)
- まつげが長く整っていて美しい。
八十種好
仏には三十二相のほかに更に細かい八十の特徴があり、それを八十種好と呼ぶ。八十種好には、耳たぶが垂れている「耳輪垂成」、髪の色が真珠のように青いとする「髪色好如青珠」、まゆが細く瑠璃色であるとする「眉如初生月紺瑠璃色」、目は切れ長とする「広長眼」、耳たぶに穴があいているとする、「耳朶環状」、のどに3本のしわがあるとする「三道」などがある。
仏のもつ法具
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- 法輪(ほうりん)
- サンスクリットの「ダルマ・チャクラ【Dharma-cakra】」の漢訳で法具の1つ。車の輪が回り続けるように、未来に向かって永遠に弘められていく仏法を象徴する。8つの放射状の輻(や)が中央から伸び、これは八正道を表すとされる。仏像が作られる以前の時代には法輪が仏教における礼拝の対象として拝まれたとされる。
- 水瓶(すいびょう)
- 水差し。ペルシャ風のものが多い。胡瓶(こびょう)や宝瓶ともいわれる。
- 脇侍(わきじ)
- 本尊の両脇に控えている仏で、単なる眷属ではなく本尊と三身一体とされる。
- 払子(ほっす)
- 獣毛や麻などを束ねてそれに柄をつけたもので、もともとはインドで蚊などの虫や塵を払う道具であったがのちに法具となり、中国の禅宗では僧がこれを振ることが説法の象徴となった。
- 五智宝冠
- 五智如来をあらわした宝冠。
- 瓔珞(ようらく)
- 珠玉や様々な貴金属を編み、胸などに掛ける装身具。
- 梵篋(ぼんきょう)
- 経典を納める箱のこと。宝篋(ほうきょう)とも言われる。
- 錫杖(しゃくじょう)
- 修行僧や修験者が持つ杖で、頭に6個の金属環が付いている。これを持って歩くと輪が音を発し、元来はインドで山野を歩く際の毒蛇除けに使用したとされる。
- 如意宝珠(にょいほうじゅ)
- 様々な霊験を表すとされる宝の珠。日本では一般的に、下部が球形で上部が円錐形に尖った形で表されるが、チベット仏教の宗教画などでは円柱形で上部が円錐形に尖った細長い形で描かれる。
- 三鈷杵(さんこしょ)
- 中央に握りがあり、両端が三叉になった法具。
- 金剛杵(こんごうしょ)
- 独鈷杵(とっこしょ)ともいわれる。中央に握りがあり、両端に鋭い刃のついた武器。
- 宝鉢(ほうはつ)
- 仏法具の1つ。
- 楊枝(ようじ)
- 柳の枝。「楊柳」ともいわれる。
- 宝経(ほうきょう)
- 経篋(きょうきょう)とも言われ、仏典のこと。
- 蒲桃(ぶどう)
- 葡萄(ぶどう)のこと。
- 鉞斧(えっぷ)
- 「おの」や「まさかり」をあらわす。
- 宝箭(ほうせん)
- 矢のこと。
- 呪槍(じゅやり)
- 因果を逆にする呪いを持つとされる。
- 宝戟(ほうげき)
- 千手観音が左手に持つ杖状のもの。先端が3つに分かれた武器。
- 宝鐸(ほうたく)
- 小型の鐘のこと。
- 羂索(けんじゃく)
- 悪を縛り上げ、また煩悩から抜け出せない人々を救い上げるための投げ縄のようなもの
- 傍牌(ぼうはい)
- 龍の顔を表した楯のようなもの。
- 宝鉤(ほうこう)
- 先端が直角に曲がった棒状の武器。
- 宝剣(ほうけん)
- 柄の部分が三叉に分かれた三鈷剣。
- 澡瓶(そうびょう)
- 軍持とも言われる水差し。
- 三鈷剣(さんこけん)
- 魔を退散させると同時に人々の煩悩を断ち切る。
- 宝釧(ほうせん)
- 腕輪。
- 宝螺(ほうら)
- ほら貝。
- 玉環(ぎょくかん)
- 「金環」ともいわれる。
- 青蓮華(しょうれんげ)
- 月輪(がつりん)
- 宝印(ほういん)
- 宝鏡(ほうきょう)
- 日輪(にちりん)
仏の結ぶ印
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- 降魔印(ごうまいん)
- 釈迦如来が、全ての煩悩を断ち切り悟りを開いた際、魔物や美女に姿を変えた煩悩がシッダールタの心を乱そうとしたとされる。このとき、魔物を退散させるために右手の指先を地につけていたことから、これを降魔印と呼ぶ。
- 施無畏印(せむいいん)
- 人の緊張を和らげて安心させる印。与願印とセットとなり、右手で施無畏印、左手で与願印を結ぶことが多い。
- 与願印(よがんいん)
- 人の願いを叶えることを示す印。施無畏印とセットとなり、右手で施無畏印、左手で与願印を結ぶことが多い。
- 説法印(せっぽういん)
- 説法をしているときの印相。転法輪印ともよばれる。
- 触地印(そくちいん)
- 右手を下げて指先で地に触れる
- 定印(じょういん)
- 座禅を組んで瞑想に入ったときの印。法界定印とも呼ぶ。座禅の基本にもなっている型であり、両手の親指同士を接して、他の指は伸ばしている。釈迦如来の他には胎蔵界の大日如来しか組まない(金剛界の大日如来は智拳印)。
- 弥陀の定印(みだのじょういん)
- 阿弥陀如来の定印。親指と他の指で輪を作る。
- 智拳印(ちけんいん)
- 金剛界の大日如来特有の印で他の仏には見られない。左手の人差し指を立て、残りの四本の指は拳に握りこみ、左手の人差し指を右手で握りこむかたち。金剛界大日如来の智慧の硬さをあらわすものとされ、仏界の全ての仏の全ての法力を一点に集中させるとの意味を持つ。
- 九品来迎印(くほんらいごういん)
- 極楽浄土は九品に分けられており、生前の行いや信仰の深さによって往生するまでの長さが決まるとされる。人が臨終した際に阿弥陀如来が迎えに来て、その印の結び方によって往生するまでの時間を表してくれるとされる。九品来迎印では指の組み合わせと手の位置によって、上品上生(じょうぼんじょうしょう)から下品下生(げぼんげしょう)までの九種の印をあらわすことができる。親指と人差し指を合わせて輪を作るのが上品、中指を合わせるのが中品、薬指を合わせるのが下品となり、いずれも両手で印を結ぶ。神奈川県高徳院の鎌倉の大仏は阿弥陀如来の像であり、上品上生の弥陀の定印を結んでいる。
- 金剛券(こんごうけん)
- 拳を握ってあげるかたちで、その手の中に人々が望むもの全てを掴んでいることをあらわす。
仏の世界では、親指が大日如来、人差し指が阿弥陀如来、中指が釈迦如来、薬指が薬師如来、小指が弥勒菩薩を示すものとされている。
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Copyright (C) 2007 七鍵 key@do.ai 初版:2007年08月26日 最終更新:2007年08月26日