チタン【Titanium】
チタンの基本情報
- 最終更新
- 2007-04-26T00:00:00+09:00
- この記事のURI参照
https://www.7key.jp/data/science/element/ti.html#basic
チタンの一般特性
- 名称/記号/番号
- チタン / Ti / 22
- 分類
- 遷移金属
- 族/周期/ブロック
- 4(IVA) / 4 / d
- 密度/硬度
- 4507kg・m-3 / 6.0
- 単体の色
- 銀白色
チタンの原子特性
- 原子量
- 47.867amu
- 原子半径(計測値)
- 140(176)pm
- 共有結合半径
- 136pm
- VDW半径
- 不明
- 電子配置
- [Ar]3d2 4s2
- 電子殻
- 2,8,10,2
- 酸化数(酸化物)
- 4(両性酸化物)
- 結晶構造
- 六方最密構造
チタンの物理特性
- 相
- 固体(常磁性)
- 融点
- 1941K(1668℃/3034°F)
- 沸点
- 3560K(3287℃/5949°F)
- モル体積
- 10.64×10-3m3・mol-1
- 気化熱
- 421kJ・mol-1
- 融解熱
- 15.45kJ・mol-1
- 蒸気圧
- 0.49Pa(1941K)
- 音の伝わる速さ
- 4140m・s-1(293.15K)
その他
- クラーク数
- 0.46%
- 電気陰性度
- 1.54(ポーリング)
- 比熱容量
- 520J・kg-1・K-1
- 導電率
- 2.34×106m・Ω
- 熱伝導率
- 21.9W・m-1・K-1
- イオン化エネルギー
- 第1:658.8kJ・mol-1/第2:1309.8kJ・mol-1/第3:2652.5kJ・mol-1/第4:4174.6kJ・mol-1/第5:9581kJ・mol-1/第6:11533kJ・mol-1/第7:13590kJ・mol-1/第8:15250kJ・mol-1/第9:16440kJ・mol-1/第10:20833kJ・mol-1
チタンのその他情報
- 最終更新
- 2007-04-26T00:00:00+09:00
- この記事のURI参照
https://www.7key.jp/data/science/element/ti.html#basic
チタンの特徴
チタン族元素の1つで、金属光沢を持つ遷移元素。地球を構成する地殻の成分として9番目に多い元素で、遷移元素としては鉄に次ぐ。チタンはプラチナとほぼ同等の強い耐蝕性を持つ。室温で酸や食塩水などとは殆ど反応しないため錆を生じにくい他、少量の湿気があれば塩素系ガスとも反応しない。チタンは他の金属に比べ比較的融点が高く、超硬合金としてよく使用される。チタンは鋼鉄と同等の強度を持つなど大変強い物質である一方、質量は鋼鉄の45%と非常に軽く、アルミニウムと比較した場合、アルミニウムに比べ60%程度質量の大きいものの、約2倍の強度を持つ。これらの特性の影響により他の金属よりも金属疲労が起こりにくい。自然界には純粋なチタンの単体は殆ど存在せず、化合物として主に鉱石の中に含まれる。
チタンの歴史
イギリスで1791年、聖職者のウィリアム・グレゴールによって発見された。また、ほぼ同じ時期にはフランツ・ジョセフ・ミュラーによっても同様の物質が作られたが、彼はそれをチタンであることを特定することができなかった。1795年にはドイツのマーチン・ハインリヒ・クラプロートによって鉱石から独自に再発見され、ギリシア神話における地球最初の子であるティタンに因んで「チタン」と命名された。
チタンの用途
- 主に白色の顔料として絵具や合成樹脂などに使用される。二酸化チタンで作られた絵具は赤外線の反射率が高いため、屋外での絵画の描写に向いている他、セメントなどにも使用されることもある。
- チタンの強さや軽さ、並外れた耐蝕性、極端な温度に耐えることができるといった性質から、アルミニウムや銅、鉄、マンガンなどとの合金が戦闘機や旅客機などの航空機分野、自動車、潜水艦の耐圧殻、ロケットやミサイル、スプーン・フォーク、印鑑、眼鏡のツル、フライパン、ゴルフクラブなど多岐にわたって使用されるほか、鉄鋼合金との脱酸剤や、ステンレス鋼において炭素含有量を減少させる目的などにも使用される。
- 海水への耐蝕性から、海水の淡水化プラントにおける熱交換器で利用される。
- 人工の宝石の生成における原料として用いられる。
- 四塩化チタンとしてガラスの着色や、高湿度の空気中で発煙する性質を利用した煙幕や空中文字への利用。
- 二酸化チタンの皮膚を保護する性質から日焼け止め剤として用いられる。
- 優れた機械的性質、生体組織との親和性の高さによる、人工歯根や人工関節/人工骨、刃物、ピアスの素材として用いられる。
- 形状記憶合金の材料として用いられる。
その他
ギリシャ神話の巨神族「ティターン」から命名。ティターンは天と大地から生まれた巨神で、オリュンポス神族と戦って敗れ、地下深くに閉じ込められたとされる。この元素が、高温では活発で不活性なものとも結合し、単体として遊離することが困難な特性から命名されたと考えられている。
1950年代から1960年代にかけての冷戦で、ソ連はアメリカ軍がチタンを使用することを防ぐための戦術として世界中のチタン市場を買い占めることを試みたが失敗した。
当ページ作成にあたり、参考にさせてもらったリソース
このページに関するご案内
-
この文書は
Keyから
資料集、
科学、
元素とリンクを辿ると、当ページ
チタンに辿り着きます。
- Site mapよりこのサイトの全体的な構造を把握できます。
- 索引よりこのサイト内にある任意のキーワードを含んだ文書を探すことができます。
- この文書のURIは
https://www.7key.jp/data/science/element/ti.html
です。
Copyright (C) 2007 七鍵 key@do.ai 初版:2007年04月26日 最終更新:2007年04月26日