馬鹿の語源
馬鹿とは
- 最終更新
- 2008-01-15T00:00:00+09:00
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https://www.7key.jp/data/language/etymology/h/baka.html#what
読み(正かな遣い):品詞区分
ばか(ばか):名詞、形容動詞、感動詞
馬鹿の意味
- 知能の働きがにぶい・こと(さま)。そのような人をもいう。
- 道理・常識からはずれていること。常軌を逸していること。また、そのさま。
- 程度が並はずれているさま。度はずれているさま。
- 役に立たないさま。機能を果たさないさま。
- 特定の物事に熱中するあまり、社会常識などに欠けること。
- 名詞・形容動詞・形容詞の上に付いて、接頭語的に用い、度はずれているさまの意を表す。
- 相手をののしったり、制止したりするとき発する言葉。
馬鹿の語源や由来
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馬鹿はの文献における出典は次の通りで、鎌倉時代末期頃(太平記が初出とされる)から用例が見られる。
- 「かかるところに、いかなる推参の馬鹿者にてありけん」(太平記:巻第十六)
- 「馬鹿 或作、母嫁、馬嫁、破家、共狼藉之義也」(文明本説用集)
- 「馬鹿 指鹿曰馬之意」(運歩色葉集)
- 「此家中には、何たる馬嫁も、むさと知行を取ぞと心得て」(甲陽軍鑑:品十三)
- 「女朗まじりの大桶、みるから此身は馬鹿となって」(浮世草子・好色一代男:五・三)
例えば、室町時代中期の『文明本説用集』には、馬鹿の異表記として「母娘」、「馬娘」、「破家」を挙げて「狼藉之義也」つまり「狼藉を働くもの」との説明があり、「愚か」の意味を含む語ではなかったとされる。愚かな者を指す言葉としては、古代から使われていた「烏呼者(ヲコノモノ)」がありそちらが使用されていた。馬鹿が「愚か」の意を含むようになるのは江戸時代の好色一代男辺りからとされる。
語源については下記の通りいくつかの説があるが、決定的なものはない。
- 秦の2代皇帝・胡亥の時代に権力をふるった宦官・趙高が、あるとき皇帝に「これは馬でございます」と言って鹿を献じた。皇帝は驚いて「これは鹿ではないか?」と尋ねたが、群臣たちは趙高の権勢を恐れてみな皇帝に鹿を指して馬だと言った、との『史記』にある故事からとする説。「狼藉をはたらく者」の意味に近いが、漢語で「馬鹿」は「バロク」と発音し、「バカ」と発音するのは大和言葉(重箱読み)であるため、語源として最も普及している説だが根拠は薄い。
- サンスクリットで「無知」や「迷妄」を意味する【baka】、【moha】の音写「莫迦(ばくか)」、「募何(ぼか)」が転じたとされる。バングラデシュの公用語であるベンガル語でも「バカ」という単語は日本語と同じく愚かな者を指し、ベンガル語はサンスクリットを祖語としている。これは元々僧侶が使っていた隠語で、馬鹿との表記は後の当て字であるとする。江戸時代の国学者、天野信景が提唱した説であり、現在でも主要な国語辞典で採用されている説である。ただし、馬鹿に「愚か」との意味が当初はなかったことから、疑問視する研究もある。
- 「若者(わかもの)」の「w音」が「b音」に転じて「馬鹿者」となったとする説。民俗学者柳田國男は、広辞苑の編者・新村出が提唱したと書いているが、新村は文章として残していないため不明。
- 禅宗の仏典などに出てくる「破産する」との意味の「破家」に「者」を付け、「破産するほど愚かな者」というところから「馬鹿者」という言葉が生まれたとする説。東北大学の佐藤喜代治によって提唱され、日本国語大辞典で採用されている。
- 支那の「馬」という姓の富裕な一族が、くだらぬことにかまけて散財し、その家が荒れ放題となったという白居易の白氏文集にある詩の一節から生まれたとする説。「馬家の者」から「馬鹿者」となったとする。『全国アホ・バカ分布考』で松本修が提唱。
- 雅語形容詞である「はかなし」の語幹が変化したという説。金田一春彦はこの説によっており、これをとる国語辞典もある。
- 古語の「烏呼者(ヲコノモノ)」がなまったとする説。
支那には馬鹿(ばろく)という鹿の一種がいる。ヨーロッパや中東のアカシカ(Cervus elaphus)に近縁で、北米北部とユーラシア大陸北東部に分布するワピチ(Cervus canadensis en)のうち北東アジアに住むものであり、「マゥロォゥ」と発音する。
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Copyright (C) 2008 七鍵 key@do.ai 初版:2008年01月15日 最終更新:2008年01月15日