全銀協手順

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全銀協手順とは

最終更新
2005-08-21T18:16:00+09:00
この記事のURI参照
https://www.7key.jp/nw/technology/protocol/zengin.html#zengin

全銀協手順(略称Z手順)は全国銀行協会連合会が1983年に規定した、一般企業/銀行相互間の金融情報交換用の標準通信プロトコルです。日本国内の金融業会で主に用いられており、後にTCP/IPを採用した全銀TCP/IP手順も規定されました。更に1997年には最大レコード長を2KBから32KBに拡張した拡張Z手順が産業界向けに制定されました。通信回線はDDX-Cの9600bps、または電話回線の2400bpsが使用されます。通信の制御には伝送制御と電文制御があり、以下のような階層構造をとります。

全銀協手順の階層構造
OSI参照モデル全銀協標準通信プロトコル
(ベーシック手順)
機能制御区分
応用層アプリケーション層運用管理、再送要求、データ圧縮電文制御
プレゼンテーション層機能制御層通信制御、通信の開始と終了制御、ファイルの伝送とアクセス、電文の通番管理
セッション層
トランスポート層通信制御層データ伝送の順序制御、データの組立と分解、誤り制御伝送制御
ネットワーク層
データリンク層データリンク制御層データリンクの設定・維持・開放、データの送受信
物理層回線層電気的・物理的接続条件-

電文制御

最終更新
2005-08-21T18:32:00+09:00
この記事のURI参照
https://www.7key.jp/nw/technology/protocol/zengin.html#denbun

全銀協手順の電文制御は通信制御電文(機能制御層)とファイル制御電文(アプリケーション層)の2つの制御電文のやり取りによって実現されています。

通信制御電文

接続相手のセンター確認コードとパスワードによる相手確認と、相手への連絡や相手ファイルの紹介を行うためのものです。センター確認コードはセンターの電話番号、CPU、端末ごとのコードで構成されます。

ファイル制御電文

ファイルアクセスキーでファイルアクセス相手の正当性をチェックしたり、伝送結果確認や障害後の再送等ファイル伝送に伴う制御を行います。ファイル名はJISの産業別コードとファイルの種類でコード化されています。

伝送フォーマット

最終更新
2005-08-21T18:36:00+09:00
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https://www.7key.jp/nw/technology/protocol/zengin.html#format

伝送テキストは、電文の種類など情報を含む伝送テキストコントロール部(TTC【Transmission Text Control】)と、通信制御電文、ファイル制御電文、データ電文を含む情報部とで構成されます。2つの制御電文は64バイトの固定長となっています。

各種設定事項

最終更新
2006-03-07T10:30:00+09:00
この記事のURI参照
https://www.7key.jp/nw/technology/protocol/zengin.html#set

センターコード

相手先センターコードと当方センターコードを設定します。14桁の文字列で、使える文字は0から9までの数字とAからFまでの半角英字となっています。基本的に、センターコード10桁、CPU/端末コード4桁で構成されます。

センターコード

接続形態企業又は銀行単位に1つ割り振られ、データ通信の分野でユニークかつ一般的なコードである電話番号を使用するようになっています。

CPU/端末コード

同一企業内で複数の端末を使用してオンライン交換を行う場合、端末ごとに割り振られるシーケンス番号です。1台目の端末は「0001」となります。

パスワード

単一の設定、もしくは制御電文ごとに設定できます。EBCDICで6桁の文字列となります。

送信/受信ファイルレコード長

最終的にアプリケーションが使用するレコードの長さをオクテット長で指定します。

送信/受信ファイルブロック長

TTCの5オクテットを含んだオクテット長が、最終的なブロック長となります。使用するアプリケーションによって異なりますが、最大長は2048オクテットです。又公衆回線での運用においてのブロック長は最大256オクテットまでとなっています。

(1レコード120オクテット、1ブロック2レコードの場合)
(ブロック長) = 120 × 2 + 5 = 245

ブロック長が256オクテットの場合、伝送効率を最大にするためにはレコード長を251オクテットに設定をします。

送信/受信ファイル全銀ファイル名

全銀センターファイル名と呼ばれます。EBCDICで12桁となります。全銀センターファイル名は自由に設定することができますが、全銀協手順で規定されているフォーマットは次の通りです。

サイクル番号

サイクル番号は同一ファイルの同一日内での伝送の順番を示すもので、通常はそのままで伝送が正常終了するごとに1つずつ値が増えていきます。

ファイルアクセスキー

単一の設定、もしくは制御電文ごとに設定できます。EBCDICで6桁の文字列となります。

アンサートーン

ダイアリング後、相手から返ってくる「ピーッ」という発信音を指します。ホスト側のモデムの設定によってはアンサートーンを返さない場合もあります。

マルチファイルモード

マルチファイルモードとは、1回の接続で複数ファイルの送信又は受信を行う方式であり、ファイルの成立単位が通信制御電文(終了応答)ごとに行われます。

0オクテットデータの送信

0オクテットデータの送信を行いたい場合、通常では送信ファイルが無いと認識されて通信ができません。そこで、送信ファイルの設定をすることで0バイトデータの送信を行うことが可能となります。実際には、データ電文の送信を行わず、開始回答受信後すぐに終了要求電文を送信します。

補足事項

最終更新
2005-08-21T18:41:00+09:00
この記事のURI参照
https://www.7key.jp/nw/technology/protocol/zengin.html#supplement

全銀手順では金融情報に最も多い0とスペースを圧縮対象とする簡単な繰り返し文字圧縮法を取り入れています。

可変長のブロック伝送を採用。最大ブロック長はDDX-Cで2048バイト、電話回線で256バイト。

発信側が送信権を持つコンテンション方式を採用。

伝送制御コードはEBCDIC体系。伝送コード系はEBCDIC、JIS_8、バイナリ等特に制限無し。

誤り制御CRC-16(生成多項式 = X16 + X15 + X2 + X0)。

接続方式は半二重通信回線、通信方式は半二重通信方式、伝送モードは透過方式。

同期方式はDTE-DCE間で調歩同期方式、DCE-DCE間は独立同期方式。

頻繁に使われる伝送制御文字

伝送制御文字
コード意味
1070ACK0:肯定応答
1061ACK1:肯定応答
2DENQ:受信勧誘/応答催促
37EOT:伝送終了
3DNAK:否定応答
02STX:テキスト開始
26ETB:伝送ブロック終結
03ETX:伝送テキスト終結
32SYN:同期確立
106BWACK:受信待機
10DLE:各種伝送制御拡張(透過の場合に使用)

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Copyright (C) 2005-2006 七鍵 key@do.ai 初版:2005年08月21日 最終更新:2006年03月07日