PPP【Point-to-Point Protocol】

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PPP とは

最終更新
2005-07-31T00:00:00+09:00
この記事のURI参照
https://www.7key.jp/nw/wan/public/ppp.html#ppp

PPPSLIPの問題点を解決し、RFC1661で解説されているダイヤルアップ回線やシリアル回線上でTCP/IPなどのリンクを提供するためのプロトコルです。OSI参照モデル物理層データリンク層に対応し、ネットワーク層以上をサポートする幅の広いプロトコルとなっています。

PPP
ネットワーク層TCP/IP
IPCP
IPv6
IPV6CP
IPX
IPXCP
AppleTalk
ATCP
OSI
OSINLCP
DECnet
DNCP
データリンク層
認証プロトコル、圧縮機能、リンク品質監視プロトコル、暗号化プロトコル
物理層シリアル回線、X.25、ISDN、ADSL、ATM、フレームリレー

上の図からも分かりますように、PPPは物理的な回線を選ぶこと無く、様々なネットワーク層プロトコルから渡されたデータを運ぶことができるのです。元々HDLCと言うプロトコルがあったのですが、HDLCはネットワーク層プロトコルを識別することができません。そこでPPPはHDLCをベースとし、様々なネットワーク層プロトコルを同じリンク上で混在させることができるよう考えられています。

PPPの接続手順

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2005-07-31T00:00:00+09:00
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PPPではまずシステム起動後にLCP【Link Control Protocol】によってリンク確立を行うこととなります。この際ネゴシエーションを行うのですが、ここで行われる設定はネットワーク層プロトコルに依存しないものだけです(詳しくはLCPにて解説)。リンクが確立されたら次は認証を行います(必須ではありません)。そして使用するネットワーク層プロトコルの設定を各NCP【Network Control Protocol】が行い、ネットワーク層以上のプロトコルを使った通信が可能となるのです(下図PPP状態遷移図を参照)。

PPP-01

リンク停止フェーズ【Link Dead Phase】

通信システムが物理的又は電気的に動作をしていない状態を指します。モデムのCD(キャリア検出)が落ちているときなどがこれにあたります。通信システムがが物理的、又は電気的に動作を始めるとリンク確立フェーズに移ります。

リンク確立フェーズ【Link Establishment Phase】

設定要求、確認パケットと言ったLCPの設定パケットを双方向に交換します。お互いが「Configure-ACK」パケットを送受信するとリンクが確立されたこととなります。このフェーズではLCPパケットしか使用できず、その他のパケットは無視されることとなります。

認証フェーズ【Authentication Phase】

認証フェーズは省略可能ですが、省略しない場合はリンク確立終了後なるべく早く行う必要があります。どの認証プロトコルを使うかはLCP設定オプションで前もって設定することになります。具体的にはPAPCHAPなどがあります。このフェーズではLCP、認証プロトコル、リンク品質監視パケットを実行することができ、それ以外のパケットは破棄されます。「Configure-Request」パケットを受信するとリンク確立フェーズに戻ります。

ネットワーク層プロトコルフェーズ【Network Layer Protocol Phase】

ネットワーク層プロトコルに対応したNCPが実行されます。このフェーズで使用可能なパケットは、LCP、NCP、ネットワークプロトコルのパケットとなります。「Configure-Request」パケットを受信するとリンク確立フェーズに戻ります。

リンク終了フェーズ【Link Termination Phase】

終了要求によってこのフェーズへと移ります。他にもCD(キャリア検出)落ち、認証やリンクの品質失敗、アイドル時間のタイムアウトによってもこのフェーズへ移ります。LCPは「Terminate-Request」パケットを送り、その確認として「Terminate-ACK」パケットを受信するとリンクのクローズ状態となります。そして物理層に切断を指示する信号を送ります。一方相手側(Terminate-Requestを受け取った側)PPPでは「Terminate-ACK」パケットを送信後一定時間待ち、その後リンクを切断することとなります。このフェーズではLCPパケットしか使用できません。

PPPの物理的条件

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物理的条件
通信回線専用/交換回線
伝送モード全二重通信
通信方式ポイントツーポイント
接続インターフェイスDTC/DCE
伝送速度DTE/DCEインターフェイスに依存します
伝送符号化方式NRZ/NRZI(FCSをCRC-32で使用)
制御信号特に無し
同期方式ビット/バイト同期、非同期

PPPのフレーム構造

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2005-07-31T00:00:00+09:00
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括弧内はオクテット

PPPフレーム構造
フラグ
(1)
アドレス
(1)
制御
(1)
プロトコル
(1/2)
データ
(0〜MRU)
FCS
(2/4)
フラグ
(1)
各フィールド説明
フラグPPPフレームの開始と終了を表します。値は7Eh。
アドレス値はFFh
制御値は03h
プロトコルフレームのプロトコル識別値(下表参照)。
データ部分場合によってはPaddingが加えられ最大値MRUとなります。URUは受信可能最大長でデフォルトで1500オクテット。
FCSアドレスからデータ部分までの検査シーケンス。

PPPフレームのプロトコル値

RFC1700参照

Protocol No.
Value (in hex)Protocol Name
0xxxx to 3xxxxネットワーク層プロトコル
0001Padding Protocol(自己記述パッドオプション)
0003 to 001freserved (透過処理の効率化)
0021Internet Protocol
0023OSI Network Layer
0025Xerox NS IDP
0027DECnet Phase IV
0029Appletalk
002bNovell IPX
002dVan Jacobson Compressed TCP/IP
002fVan Jacobson Uncompressed TCP/IP
0031Bridging PDU
0033Stream Protocol (ST-II)
0035Banyan Vines
0037reserved (until 1993)
0039AppleTalk EDDP
003bAppleTalk SmartBuffered
003dMulti-Link
003fNETBIOS Framing
0041Cisco Systems
0043Ascom Timeplex
0045Fujitsu Link Backup and Load Balancing (LBLB)
0047DCA Remote Lan
0049Serial Data Transport Protocol (PPP-SDTP)
004bSNA over 802.2
004dSNA
004fIP6 Header Compression
006fStampede Bridging
007dreserved (非同期制御エスケープコード) [RFC1661]
007freserved (compression inefficient) [RFC1662]
00cfreserved (PPP NLPID)
00fbcompression on single link in multilink group
00fd1st choice compression
00ffreserved (圧縮処理の効率化)
0201802.1d Hello Packets
0203IBM Source Routing BPDU
0205DEC LANBridge100 Spanning Tree
0231Luxcom
0233Sigma Network Systems
8xxxx to Bxxxxネットワーク制御プロトコル
8001-801fNot Used - reserved [RFC1661]
8021Internet Protocol Control Protocol
8023OSI Network Layer Control Protocol
8025Xerox NS IDP Control Protocol
8027DECnet Phase IV Control Protocol
8029Appletalk Control Protocol
802bNovell IPX Control Protocol
802dreserved
802freserved
8031Bridging NCP
8033Stream Protocol Control Protocol
8035Banyan Vines Control Protocol
8037reserved till 1993
8039reserved
803breserved
803dMulti-Link Control Protocol
803fNETBIOS Framing Control Protocol
807dNot Used - reserved [RFC1661]
8041Cisco Systems Control Protocol
8043Ascom Timeplex
8045Fujitsu LBLB Control Protocol
8047DCA Remote Lan Network Control Protocol (RLNCP)
8049Serial Data Control Protocol (PPP-SDCP)
804bSNA over 802.2 Control Protocol
804dSNA Control Protocol
804fIP6 Header Compression Control Protocol
006fStampede Bridging Control Protocol
80cfNot Used - reserved [RFC1661]
80fbcompression on single link in multilink group control
80fdCompression Control Protocol
80ffNot Used - reserved [RFC1661]
Cxxxx to Exxxxデータリンク制御プロトコル
c021Link Control Protocol
c023Password Authentication Protocol
c025Link Quality Report
c027Shiva Password Authentication Protocol
c029CallBack Control Protocol (CBCP)
c081Container Control Protocol [KEN]
c223Challenge Handshake Authentication Protocol
c281Proprietary Authentication Protocol [KEN]
c26fStampede Bridging Authorization Protocol
c481Proprietary Node ID Authentication Protocol [KEN]

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Copyright (C) 2005 七鍵 key@do.ai 初版:2005年07月31日 最終更新:2005年07月31日