クッキーとは

クッキーは【Cookie】と記述されることもあり、コンピュータの世界のクッキーは魔法のおかしです。まずは細かい説明をする前に、どんな「魔法」が使えるものなのかを紹介したいと思います。

たとえば電子掲示板に書き込みをするときのことを思いだしてみてください。１度書き込みをすれば、２回目からあなたのハンドルネームやメールアドレスなど、１回目に書き込んだ内容をふたたび入力しなくても良かったという経験はありませんか。これが「クッキー」と呼ばれるものの魔法のひとつです。

また、あるWEBサイトを見たときに、なぜか「はじめてのご訪問、ありがとうございます」とか「３日も来てくれなかったのね・・・。でもまた来てくれてありがとう。」など、訪問回数や訪問日時に関するメッセージを見たことはないでしょうか。これも「クッキー」の魔法のひとつなのです。

さて、ここまで魔法、魔法と言ってきましたので、なんだかクッキーって難しそうだと思われるかもしれませんが、考え方はいたって簡単です。上で例に挙げました「２回目から以前電子掲示板へ書き込んだ際のハンドルネームが表示される魔法」について解説してみましょう。まず、初回にあなたのパソコンから電子掲示板へ書き込むとき、電子掲示板が置いてあるWEBサーバに情報が送信されます。その送信される情報の中にはもちろん、あなたの使用していますハンドルネームも入っています（図１）。

これらの情報を受け取ったWEBサーバはあなたのパソコンに対して、あなたのハンドルネームが書かれたクッキーと呼ばれる情報を送り返します。そして、クッキーを受け取ったあなたのパソコンは、しばらくの間あなたのパソコン内にクッキーを保存しておきます（図２）。

そして、あなたが再度この電子掲示板を訪問したとき、あなたのパソコンは自分の中に保存してあるクッキーすなわち、あなたのハンドルネームの情報を自動でWEBサーバに向けて送信します（図３）。

この情報を受け取ったWEBサーバは、「あ、この人は以前○○という名前で書き込みを行ってくれているから、今回は最初から名前の欄に○○と表示させておこう」といった処理を行い、あなたのパソコンに向けてあなたのハンドルネームが名前の欄に表示されている書き込み画面を送信してくれるのです（図４）。

今回は分かりやすく「名前」だけで説明を行いましたが、もちろんこれがメールアドレスであったり、あなたのホームページのＵＲＬだったりするわけです。つまりクッキーとは、情報をあなたのパソコン内に保存して、WEBサーバ（場合によってはあなたのパソコン）が必要な時にこのデータを取り出すことにより様々な処理を行えるようにする仕組みのことを言います。

このことによって２回目以降たびたび同じ項目を入力しなくて良かったり、訪問日時をクッキーとしてあなたのパソコンに保存させておけば、最終訪問日から何日経っているかを計算して表示する、なんてこともできます。HTMLを使用してパソコン内にクッキーを保存することもできますが、保存してあるクッキーをHTMLから使用することはできませんので、大抵の場合ＣＧＩやJavaScriptが使われるようです。

最後に付け加えておきますが、クッキーとしてなんでも情報をWEBサーバに抜き取られるというわけではありません。あなたのパソコンがクッキーを送信をするのは、あなたのパソコンにクッキーを残しているWEBサーバからお願いがあった場合のみです。よって他のWEBサーバに個人情報が盗まれることはありませんので安心してくださいね。