出雲国造神賀詞
出雲国造神賀詞の祝詞
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- 2009-04-26T10:28:35+09:00
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出雲国造神賀詞は、「いづものくにのみやつこのかむよごと」と読み、延喜式に掲載されている祝詞の一つ。出雲国造が新任されたときに、朝廷に参向して天皇に奏上する御世寿ぎの詞である。国造(くにのみやつこ)は、古来一国を支配する者の姓であったが、大化の改新以降、神事を掌る職名となった。中でも、出雲と紀伊の国造の親任式は重視され、その次第が「延喜臨時祭式」(『延喜式』巻三)・『儀式』(貞観儀式)に記載されている。それらによれば、出雲国造新任の式は、太政官の曹司長で行われ、次いで神祗官庁において負幸物(金装横刀一口、絲廿絇、絹十疋、調布廿端、鍬廿口)を賜る儀式が行われる。その後、出雲国に帰国して、国内鎮座の神々を斎い祀ること一年、国司が国造などを率いて入朝し、神宝・御贄を奉献して、この神賀詞を奏上する。
出雲国造神賀詞
八十日日波在止毛、今日能生日能足日尓、出雲國乃國造姓名恐美恐美毛申賜久、掛麻久毛恐岐明御神止大八嶋國所知食須天皇命乃、
手長能大御世止齋止――若後齋時者加後字、――爲氐、出雲國乃青垣山内尓、下津石根尓宮柱太敷立氐、高天原尓千木高知坐須、伊射那伎乃日眞名子、加夫呂伎熊野大神櫛御氣野命、國作坐志大穴持命、
二柱神乎始天、百八十六社坐皇神等乎、某甲我弱肩尓太襷取挂天、伊都幣能緒結、天乃美賀祕冠利天、伊豆能眞屋尓麁草乎、
伊豆能席登苅敷支天、伊都閉黒益之、天能瓺和尓齋許母利氐、志都宮尓忌静米仕奉氐、朝日能豐榮登尓、伊波比乃返事能神賀吉詞、奏賜波久登奏、
高天能神王、高御魂・神魂命能、皇御孫命尓天下大八嶋國乎事避奉之時、出雲臣等我遠祖天穂比命乎、國體見尓遣時尓、天能八重雲乎押別氐、天翔國翔氐、天下乎見廻氐、返事申給久、
豐葦原乃水穂國波、晝波如五月蠅水沸支、夜波如火瓫光神在利、石根・木立・青水沫毛事問天、荒國在利、然毛鎮平天、皇御孫命尓安國止平久所知坐之米牟止申氐、己命児天夷鳥命尓布都怒志命乎副天天降遣天、
荒布留神等乎撥平氣、國作之大神乎毛媚鎮天、大八嶋國現事顕事令事避支、乃大穴持命乃申給久、皇御孫命乃静坐牟大倭國申天、己命和魂乎八咫鏡尓取託天、
倭大物主櫛瓺玉命登名乎稱天、大御和乃神奈備尓坐、己命乃御子阿遅須伎高孫根乃命乃御魂乎、葛木乃鴨能神奈備尓坐、事代主命能御魂乎宇奈提尓坐、賀夜奈流美命能御魂乎、
飛鳥乃神奈備尓坐天、皇御孫命能近守神登貢置天、八百丹杵築宮尓静坐支、是尓親神魯伎・神魯美乃命宣久、汝天穂比命波、天皇命能手長大御世乎、堅磐尓常磐尓伊波比奉、伊賀志乃御世尓佐伎波閉奉登、
仰賜志次随尓、供齋――若後齋時者加後字、――仕奉氐、朝日乃豐榮登尓、神乃禮白・臣能禮白登、御祷乃神宝獻良久登奏、
白玉能大御白髪坐、赤玉能御阿加良毘坐、青玉能水江玉乃行相尓、明御神登大八嶋國所知食天皇命能手長大御世乎、御横刀廣尓誅堅米、白御馬能前足爪・後足爪踏立事波、大宮能内外御門柱乎、上津石根尓踏堅米、下津石根尓踏凝之、
振立流耳能彌高尓、天下乎所知食左牟事志太米、白鵠乃生御調能玩物登、倭文能大御心毛多親尓、彼方古川岸、此方能古川岸尓生立若水沼間能、彌若叡尓御若叡坐、須須伎振遠止美乃水乃、彌乎知尓御袁知坐、
麻蘇比乃大御鏡乃面乎、意志波留加天見行事能己登久、明御神能大八嶋國乎、天地日月等共尓、安久平久知行牟事能志太米止、御禱神宝乎フ持氐、神禮白・臣禮白登、恐彌恐彌毛、天津次能神賀吉詞白賜久登奏、
出雲国造神賀詞
八十日日は在れども、今日の生日の足日に、出雲國の國造姓名、恐み恐みも申し賜はく、
掛まくも恐き明御神と大八嶋國知し食す天皇命の、手長の大御世と齋ふと
――若し後の齋の時には、後の字を加へよ――して、出雲國の青垣山の内に、下津石根に宮柱太敷き立て、
高天原に千木高知り坐す、伊射那伎の日眞名子、加夫呂伎熊野大神櫛御氣野命、
國作り坐しし大穴持命、二柱の神を始めて、百八十六社に坐す皇神等を、某甲が弱肩に太襷取挂けて、
伊都幣の緒結び、天乃美賀祕冠りて、伊豆の眞屋に麁草を、伊豆の席と苅り敷きて、伊都閉黒益し、
天乃瓺和に齋みこもりて、志都宮に忌み静め仕へ奉りて、朝日の豐榮登に、伊波比の返事の神賀吉詞、奏し賜はくと奏す、
高天の神王、高御魂・神魂命の、皇御孫命に天下大八嶋國を事避り奉りし時、出雲臣等が遠祖天穂比命を、
國體見に遣はしし時に、天の八重雲を押別けて、天翔り國翔りて、天下を見廻りて、返事申し給はく、
豐葦原乃水穂國は、晝は五月蠅如す水沸き、夜は火瓫如す光く神在り、石根・木立・青水沫も事問ひて、荒ぶる國あり、
然れども鎮め平けて、皇御孫命に安國と平けく知し坐さしめむと申して、己命の児天夷鳥命に布都怒志命を副へて天降し遣はして、
荒ぶる神等を撥ひ平け、國作らしし大神をも媚び鎮めて、大八嶋國の現事顕事事避らしめき、
乃ち大穴持命の申し給はく、皇御孫命の静まり坐さむ大倭國と申して、己命の和魂を八咫鏡に取り託けて、
倭大物主櫛瓺玉命と名を稱へて、大御和の神奈備に坐せ、己命の御子阿遅須伎高孫根命の御魂を、葛木の鴨の神奈備に坐せ、
事代主命の御魂を宇奈提に坐せ、賀夜奈流美命の御魂を、飛鳥の神奈備に坐せて、皇御孫命の近き守神と貢り置きて、
八百丹杵築宮に静まり坐しき、是に親神魯伎・神魯美命の宣りたまはく、汝天穂比命は、天皇命の手長の大御世を、
堅磐に常磐に伊波比奉り、伊賀志の御世に佐伎波閉奉れと、仰せ賜ひし次の随に、
供齋――若し後の齋の時には、後の字を加へよ、――仕へ奉りて、朝日の豐榮登に、神の禮白臣の禮白と、御祷の神宝獻らくと奏す、
白玉の大御白髪坐し、赤玉の御阿加良毘坐し、青玉の水江の玉の行相に、明御神と大八嶋國知し食す天皇命の手長の大御世を、
御横刀廣らに誅堅め、白御馬の前足の爪・後足の爪踏み立つる事は、大宮の内外の御門の柱を、
上津石根に踏み堅め、下津石根に踏み凝し、振り立つる耳の彌高に、天下を知し食さむ事の志の太米、
白鵠の生御調の玩物と、倭文の大御心も多親に、彼方の古川岸、此方の古川岸に生ひ立てる若水沼間の、彌若叡に御若叡坐し、
須須伎振る遠止美の水の、彌乎知に御袁知坐し、麻蘇比の大御鏡の面を、意志波留加して見行す事のごとく、
明御神の大八嶋國を、天地日月と共に、安けく平けく知し行さむ事の志の太米と、御禱の神宝をフげ持ちて、
神の禮白・臣の禮白と、恐み恐みも、天津次の神賀吉詞白し賜はくと奏す、
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Copyright (C) 2009 七鍵 key@do.ai 初版:2009年04月25日 最終更新:2009年04月26日