リン【Phosphorus】
リンの基本情報
- 最終更新
- 2007-04-26T00:00:00+09:00
- この記事のURI参照
https://www.7key.jp/data/science/element/p.html#basic
リンの一般特性
- 名称/記号/番号
- リン / P / 15
- 分類
- 非金属(黒リン:半金属)
- 族/周期/ブロック
- 15(VB) / 3 / p
- 密度/硬度
- 白リン:1823kg・m-3 / (不明)、赤リン:2340kg・m-3 / (不明)、黒リン:2670kg・m-3 / (不明)
- 単体の色
- 無色/赤/銀白色
リンの原子特性
- 原子量
- 30.973762amu
- 原子半径(計測値)
- 100(98)pm
- 共有結合半径
- 106pm
- VDW半径
- 180pm
- 電子配置
- [Ne]3s2 3p3
- 電子殻
- 2,8,5
- 酸化数(酸化物)
- ±3, 5, 4(酸性酸化物)
- 結晶構造
- 単斜構造
リンの物理特性
- 相
- 個体
- 融点
- 317.3K(44.1℃)
- 沸点
- 550K(280℃)
- モル体積
- 17.02×10-3m3・mol-1
- 気化熱
- 12.129kJ・mol-1
- 融解熱
- 0.657kJ・mol-1
- 蒸気圧
- 20.8Pa(294K)
- 音の伝わる速さ
- 不明
その他
- クラーク数
- 0.08%
- 電気陰性度
- 2.19(ポーリング)
- 比熱容量
- 769J・kg-1・K-1
- 導電率
- 1.0×10-9m・Ω
- 熱伝導率
- 0.235W・m-1・K-1
- イオン化エネルギー
- 第1イオン化エネルギー:1011.8kJ・mol-1/第2イオン化エネルギー:1907kJ・mol-1/第3イオン化エネルギー:2914.1kJ・mol-1/第4イオン化エネルギー:4963.6kJ・mol-1/第5イオン化エネルギー:6273.9kJ・mol-1
リンのその他情報
- 最終更新
- 2007-04-26T00:00:00+09:00
- この記事のURI参照
https://www.7key.jp/data/science/element/p.html#basic
リンの特徴
窒素族元素の1つ。リンは数種類の同素体をもつことが古くから知られている。白リンは常温、常圧で白色蝋状の固体。湿った空気中で酸化され自然発火するため、水中で保存する。性が強くにんにく臭がある。白リン以外の同素体はほぼ無毒。黒リンは空気中ではなかなか発火しない。紫リンは金属光沢をもち、金属リンともよばれる。密閉して、黄リンに鉛を加え加熱することで得られる。赤リンは、紫リンを主成分とする白リンとの混合体で赤褐色の粉末。マッチの材料に使われる。紅リンは深紅色の粉末。微細な赤リンと考えられている。黄リンは白リンの表面が赤リンの膜で覆われたもの。19世紀にマッチの材料として使用されたが、自然発火事故や健康被害により20世紀初頭に使用が禁止された。
リンの歴史
1669年にブラント(H.Brandt)が錬金術の実験中に発見。
リンの用途
- 生体内では、DNAやRNAのポリリン酸エステル鎖として存在するほか、ATPなど重要な働きを担う化合物中に存在している。そのため、あらゆる生物にとっての必須元素であり、農業においてはリン酸が、カリウム・窒素などとともに肥料の主要成分である。
- 化学肥料の原料として使われるものが最も大きい。近年では、過リン酸石灰の生産が落ち込んでるために、従来の重過リン酸石灰の生産量は減少し、代わりにリン酸アンモニウム肥料がその重要性を増している。
- リン酸は金属の表面加工や工業用触媒に用いられるほか、食品添加物としても用いられている。
- 農薬や殺虫剤としての利用も多く、化学兵器として研究されるほど強力な毒性を持った製品も開発されたが、その多くは使用が中止されている。現在はリン酸エステル系の殺虫剤が主力になっている。
- リン酸化合物であるリン酸三ナトリウム水溶液は、強いアルカリ性を示すため、単独で金属の洗浄剤として使われるほか、次亜塩素酸と混合することで強力な洗剤となる。
- 三リン酸五ナトリウムは洗剤として広く利用されていたが、排水に高濃度のリンが含まれるために微生物の異常な繁殖の原因を引き起こし、赤潮などの公害を引き起こすため、環境への配慮から日本国内での使用はほとんどなくなってきている。
- リン酸水素カルシウムは研磨剤として歯磨きなどに含まれ、フッ素を含む歯磨きには二リン酸カルシウムなど、口腔衛生にかかわる場面でもリン酸化合物が数多く配合されている。
- コーンフレークやベーキングパウダー、飼料にリン酸化合物が含まれる。
- ハムやチーズなどの製造の際に使用される。
- 燃料の不凍液にリン酸化合物が加えられる。
- 繊維製品の難燃加工に利用される。
- 製紙工業では消泡剤として用いられる。
- 核燃料の再処理では、ウラン・プルトニウム抽出の際の溶剤とし用いられる。
その他
ギリシャ語の「光(phos)+運ぶもの(phoros)」から命名。この元素が発光しやすい性質を持つことにちなむ。
当ページ作成にあたり、参考にさせてもらったリソース
このページに関するご案内
-
この文書は
Keyから
資料集、
科学、
元素とリンクを辿ると、当ページ
リンに辿り着きます。
- Site mapよりこのサイトの全体的な構造を把握できます。
- 索引よりこのサイト内にある任意のキーワードを含んだ文書を探すことができます。
- この文書のURIは
https://www.7key.jp/data/science/element/p.html
です。
Copyright (C) 2007 七鍵 key@do.ai 初版:2007年04月26日 最終更新:2007年04月26日